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ウェルビーイング リトリートin鎌倉~和にまなぶ、和で整える~

新型コロナウイルスの影響が各方面で騒がれていて、学校が休校になったり、自宅勤務を推奨されたり。お子さんがいる方々も先が見えない不安を毎日感じている方も多いのではないでしょうか。

そんな子供たちのために日々頑張っている方々も、
こんな時だからこそほんのひと時日常から離れ、心身ともに整える時間も必要ですよね。

2月に「やなぎ教育グループ」と「at knot」の共催で開催された「ウェル・ビーイング リトリートin鎌倉」では「和の文化で心とカラダを整える」をテーマに、和の作法や日本文化を学びつつ、忙しい日々を豊かに過ごすことが出来るヒントがたくさんありました。
様々な分野で活躍されている講師の方々が、この旧村上邸の魅力も最大限に引き出してくれました。
今回は、そのイベント模様をご紹介していきたいと思います。

庭園を心で視る

最初は、このイベントの主催者でもあるat knot代表、檜山 綾香さんのプログラム「庭園を心で視る」からスタート。
檜山さんは、「自然との豊かな関係が豊かな人生を築く」をコンセプトに、自然と人とを結ぶプログラム開発や、プロジェクト支援を実施されています。
※共訳書「森の幼稚園」(イングリッド・ミクリッツ)。文京区肥後細川庭園「庭カフェトーク」プログラムコーディネーター。

参加者の皆さんも初対面同士。緊張をほぐすためにも、まずはお庭に出て季節の花や空気、風を五感で感じてもらいながら談笑し、リラックスしていただく。
テーブルや床の間には、檜山さんがご準備された季節のお花が飾られていてとっても綺麗でした。

お庭にもこの時期は椿や梅が咲き始め、ふと下に視線を落とすとふきのとうが出始めていて、春の訪れを感じさせます。

床の間には咲始めの梅や掛け軸が

ラウンジスペースに飾られた花
庭の椿が見ごろでした!
春の訪れを感じさせるふきのとう

お能の所作でカラダを知る/ことばの力と声を聴く

次は、神戸市垂水区・通照院のご住職である佐橋 啓空さんによるプログラム、
「能の所作でカラダを知る」がスタート。庭から能舞台に場所をうつし、
能の歴史から所作等をレクチャーしていただきました。

元来、物まねや言葉遊びを中心とし、猿楽として庶民に親しまれていましたが、
観阿弥・世阿弥が歌や舞を中心とする優美なものに変え、武家の教養として発展し、現在に至るまでをレクチャーしていただいている中で、「お芝居」という言葉の由来等も教えていただいたり、興味深いお話を聞くことができました。


佐橋 啓空さん

◆佐橋 啓空さん
金剛流シテ方今井清隆氏の華月会社中。
米国CalArts、国連やオランダ、駐日インド大使館などで、能や声明と日本文化継承の舞台に立つ。声明×Jazz、お経×RockのCDリリース。
神戸市垂水区・通照院住職。
NPO法人キュブラー・ロスの会理事。

扇子の持ち方をレクチャー
佐橋さんにお持ちいただいた能面
扇子

能の所作では、参加者のみなさんと舞台に上がり、すり足の実践。
佐橋さんに作っていただいた能面に見立てたお面を被り、能楽師の方の視界を体験させていただきました。
実際に付けてみると、視界の狭さにびっくり。
能楽師の方は、この視界で舞台の上を歩き回り、演じるのだから本当に凄いです。

どこか哀愁漂う表情のお面
でも、こうゆう方いますよね
お面付けてみた
すり足してみた

ことばの力と声を聴く

能の所作を学んだあとは、和室に場所をうつして座学開始。
武士が習うべき5つの徳目「仁・義・礼・智・信」の説明から始まり、
一つの言葉に様々な思いがこめられていて、言葉には由来がある事などを学びました。
例えば、表と裏という漢字がありますが、これは物理的な物を指す言葉。
目に見えないものを指す時は「面(おもて)」と「心(うら)」と書くそうです。
人をうらやむという言葉は、上の「心(うら)」が病んでいる、という所に語源があるそうで、病まないようにするためには周りの事に日々感謝する事が必要だとうお話。
何気なく使っている言葉にもそれぞれに由来や意味があり、それを学ぶ事は豊かに暮らすことにおいても大事なことだと感じました。

和室でのレクチャーの様子
最後に衣裳を着て披露していただいた「高砂」

季節の恵みを味わう

昼食は、鎌倉の「ひなや」さんのお弁当。季節に合った地元のお野菜をシンプルに、ていねいに心を込めて作っていただきました。

ひなやさんのお弁当

和の香りで満たす

食で満たされた後は、和の香りを嗅いで心を落ち着かせます。
アロマ調香デザイナーの齋藤 智子さんによる暮らしに彩りを与えてくれるアロマ調香講座のスタート。
様々な種類の香りの作用を知った後に、五感をフルに使って精油をブレンドし、
参加者のみなさんがそれぞれに一番心地いいと感じる香りを探していきます。

齋藤 智子さん

◆齋藤 智子さん
アロマ調香デザイナー。一般社団法人プラスアロマ協会代表理事。
TOMOKO SAITO aromatique主宰。
京都で10代続く家に生まれ、幼いころより伝統的な香りや文化に親しむ。
「本物の香りには人を動かす力がある」を軸に天然精油にこだわり、調香をおこなう。

参加者のみなさんと調香中
それぞれみなさんオリジナルの香りを選んで持ち帰ります

僕も、オリジナルの香りを作らせていただきました。
選んだのは、親しみのある感じがした「ユズ」、村上邸にある蔵の中がヒノキの良い香りがしたのが印象的だったので「ヒノキ」、心の開放を導いてくれる「クロモジ」をブレンド。全て日本が原産の和の香りで統一してみました。

触れて癒す

次はラウンジに舞台をうつして、田邊 恭子さんによる「触れて癒す」のプログラムです。

◆田邊 恭子さん
プライベートサロン極楽Spa Apvaruuaオーナーセラピスト。
都内ホテルスパにて経験後、鎌倉に移住。
鎌倉の自然とヨガのエッセンスを融合したオリジナルセラピーを確立。コンセプトは、「愛のあるタッチは満ち足りた心を創り出す」

2人1組になって、相手の事を思いやってマッサージをおこないます。
自分も満たされてからこそ、気持ちに余裕が出来て相手を思いやる事ができる。
それを日々意識して、たまにはパートナーにおこなってあげる事も大切ですね。

まずはリラックスするための準備
2人1組になって相手を思いやって触れてあげます

音で心とカラダを整える

五感をフルに使ったウェルビーイング・リトリートを締めくくるのは、あがささんによるアコースティックギターによる演奏です。
民謡を取り入れているからか、どこか懐かしくもあり、心地よい空間を演出していただきました。

◆あがささん
元乳幼児教育音楽選任教師。シンガーソングライター。
ビートルズからMPB、民謡、ロックまで多彩な音楽活動を展開。
2018年6月にはオリジナルアルバム「ラーフラ」をリリース。
現在、江州音頭を学び自身の音楽の幅を更に拡大中。

アコースティック演奏の様子

最後は、佐橋さんが着ていた能楽の衣裳を着せていただけることに。
ちゃっかり僕も着させていただいちゃいました。

旧村上邸の全てのスペースを存分に使っていただき、様々な和の文化の奥深さを学ぶ事のできた「ウェル・ビーイング リトリートin鎌倉」
自分を満たしてあげることで、人を思いやれる。豊かに暮らしていくためのヒントがたくさん詰まったとっても素敵なイベントでした。

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